事業成果を出す組織を作るのお知らせ

ブログ更新(業務の線引きで組織が変わるチームデザイン)

ブログを更新しました。

業務の線引きで組織が変わるチームデザイン

業務の線引きで組織が変わるチームデザイン

業務の線引きがずれたチーム

従業員を雇っている経営者、部下を抱えているリーダーがやるべきこととして、業務の境界線を引くということがあります。

経営者は、従業員一人一人の業務分担というよりも組織のハコを作るために組織改編ということになります。リーダーは部下一人一人の業務分担を見極め、業務ローテーションをかけることです。どちらの施策も「今いるメンバーで成果を最大にする」ための効率を追い求めて、括りを変えるのです。

チームが崩壊している組織の原因はさまざまありますが、企業風土へのてこ入れは一番最後かなと私は思います。企業風土、文化・カルチャーの根付かせるという施策ももちろん重要ですが、「人」に原因が埋まっていないのにてこ入れをしてしまうと、ピント外れの施策を実施しているリーダーと思われてしまいます。

私は、企業や組織の問題はまず先に「業務」に注目すべきだと考えています。特に、チーム内でのいざこざ、部署同士の仲が悪いなどコンフリクト的問題が多発している組織では、「人」ではなく「業務」の分業の仕方に課題があることが多いと思います。業務の線引きが曖昧(仕事のアサインが上手くいっていない)という状態は、業務の実務担当者が他の部署や他のメンバーとの調整にかなりの時間と労力を使います。そのため、無駄だとわかっていても作業を続けてしまったり、調整せずにルールを曲げてしまったり、そういったところからコミュニケーション不足が引き起こされ、結果として会社やメンバーへ不信感が募っていくのです。

このような組織やチームは、線引きをそのままにして効率化を図ろうと思ってもうまくいきません。事業の変化に組織がついていけず、ずれていっているのです。

 

 

これは、会社単位で考えると部署にも同じことが言えます。分業していく以上、部署同士の調整は避けられません。複数組織が連携することで、大きなプロダクトを生むのです。ただ、組織の分け方を間違えると無駄な調整が増えてしまい、従業員たちは疲弊していきます。その次に訪れるフェーズは、黙って自分の前から嵐が通りすぎるのを待つ、つまり面倒くさいことに首を突っ込むなどしたくないので、他部署との調整が発生する業務に手を出さなくなるのです。そうなった組織で、事業がドライブするはずがありません。

 

 


事業を発展させるリーダーに必要なのは「チームデザインスキル」

経営者やリーダーに身に付けてほしいスキルに、私は「チームデザインスキル」を一番に挙げています。複数人で成果を出すためにどのように分業していくのかを設計(デザイン)できるスキルのことです。

チームとして動く必要があるのは3人からです。2人は何とかなります。片方がもう片方と被らないように仕事をすればいいからです。しかし、3人からは複数人が協働することでの成果が求められます。1+1+1=3だと許されないわけですね。にもかかわらず、3人になった瞬間に一気に業務が漏れる・被るが発生し、効率がガタ落ちし出します。1+1+1=3にするのも難しいのです。つまり、3人以上の企業・チームでは、分業する上での土台作りができるリーダーが必要になります。これが、「チームデザインスキル」が必要な理由です。

また、一度組み上げた業務の線を調整していくのもデザインスキルです。チームは生きています。3か月前に良しとしたチーム内の業務のすみわけが、3か月後にそのままでよいということにはなりません。新しい業務が増えていたり、突発業務に対応していたり、繁閑の波が来たりと、リーダーが気づかないところでチームは日々変化しているのです。そのため、1+1+1=3以上にするには、チームを定期的に観察し、調整を繰り返していくことが求められます。私の感覚ですが、これができないリーダーが意外と多い印象があります。経営者やリーダーはメンバーに業務を落としていくのですが、その際に気まぐれに業務を振るわけにはいきません。その場しのぎではなく、一定の基準で業務を割り振ることで責任の所在を明確にしていくのです。

「チームデザインスキル」は、会社全体で考えても必要な視点です。組織は一度作ったら終わりではありません。事業の発展に合わせて少しずつ変えていくのです。特に、人数が少ない企業ではぎりぎりの人数で経営しているでしょうから、効率の悪さ(ボトルネック)は致命傷です。放ったらかしにして、市場や事業の変化に合わせたサービスやプロダクトを展開しようとしても、組織が手遅れで対応できないことがあります。また、急に大幅な組織改編をするというのは前述のとおり従業員に大きな負担を強いるので、なるべく避けた方がよいと思います。まさに、IGNITE HORIZONが掲げている「最強のチームで最高の成果を」を実現するには、組織およびチームを事業の成長に合わせて日々変化させていくことが重要になります。

 

 


「チームデザイン」の一歩はチーム分析から

実際にどうやって「チームデザインスキル」を身に付けていくかということです。

私は「チームデザイン」の5割はチーム分析が占めていると考えています。まず、自分のチームがどのように分業しているか現状を洗い出します。そして、この半期に出てきた課題をメンバーにヒアリングし、洗い出してみます。この2点を実施するだけで、チームの全体像が見えてきます。新しいプロジェクトを発足させる場合、何もないところに分担を割り振るので、比較的分かりやすいと思います。

しかし、現在回っているチーム内で業務分担を振りなおす、もしくは組織改編を実施するというのは非常に難しいです。一番の難関はメンバーの負担です。人は慣れたものを壊し、新しい環境になれるまでに時間がかかります。業務を回しながら新しい状況に慣れていくにはストレスがかかるものですよね。ですが、現在の業務分担や組織配置で何か問題が生じているはずなので、経営者・リーダーは自分の仕事を抱えながら、腰を据えてその「問題」改革に乗り出せるかどうかだと思います。もう一つ、この「問題」というのがやっかいで、前述のとおり「業務の境界を引き直す=慣れているものを一度壊す」ことは従業員からの反発があることも想定されます。リーダーがここに億劫になっていると、組織の「問題」というものに感覚が鈍くなっていることがあります。もしくは、目をつぶってしまうこともあるでしょう。成果を出すためには、経営者・リーダーがどれだけ覚悟をもてるかにかかっています。

もう一点、そうは言っても自分が所属している企業やチームを自分で分析するのは、少し恥ずかしさを感じるというか、躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。理由を考えてみましたが、分析とはいい部分も悪い部分も掘り返す作業なので、客観的視点が必要です。そのため、まるで「外部の人のようにふるまう」ことになったり、「自分の組織を信用していない」と宣言しているように感じるからではないでしょうか。そこに、自分のチームに所属しながら分析を進める難しさがあります。

外部の手を借りたいと感じていらっしゃる経営者・リーダーの方がいましたら、お気軽にお声かけ下さい。私が全社的に分析することもできますし、リーダーの方が「チームデザイン」できるように中長期的なメンターを担当することも可能です。御社に合わせて伴走させて頂きます。