事業成果を出す組織を作るのブログ

マネジメントを独学で身に付ける難しさ

マネジメントは理論を学ばないと身につかない

私は、個人のお客様向けにチームビルティング講座を開催しております。

そこで受講者の方にお話を聞いてみると、リーダーがマネジメントについてどこにも相談できない状況だとわかりました。上司が自分のリーダー性を認めて昇格させてくれたのですから、「で、リーダーってどうやればいいんですか?」とは聞けませんよね。また、40代で初めてリーダーポジションを任される方も非常に多いのですが、その年齢になってしまうと「マネジメントって何をやったらいいんですか」とは今更聞きたくても聞けないのです。「若手でもないんだから、大体わかるでしょ」というわけです。経営者も同じです。組織や人に悩んでいる経営者の方も非常に多く、そのような経営者の素質に直結するような悩みを社内に相談することなどできません。

しかし、実際にマネジメントって何をしたらいいのでしょう。上位職制の皆様、部下に聞かれたら答えられますか?

 

今までの「マネジメント」というのは、独学で身に付けていくことが一般的でした。それがなぜ可能だったかというと、一つは終身雇用が当たり前の社会では、会社のためにチームや会社のために身を粉にして働くことが当たり前だったのだろうと思います。そのため、マネジメントなんかしなくても、チームのまとまりは高かったものと想像できます。もう一つは、マネジメントにはそれぞれの方が元来持っている性格や幼少期からの人生経験なども関係するので、一概にこうすればよいという方法論が確立していないのです。そのため、本を読んで理論を勉強するというものではなく、現場で身に付けていけという感じだったのでしょう。

すると、それぞれのマネジメントというものが存在しますので、どの上司にあたるかによって自分が吸収できるマネジメントの手法に限界が出ます。特に、ワンマンタイプのリーダーもしくはプレーヤー気質のリーダーにあたってしまったときには、そのチームの中でマネジメントというものはほぼ実施されていないはずです。そのようなチームは、メンバー各自の貢献意欲によって成り立っているという状況も多いのではないでしょうか。

現代は、転職市場の活性化に伴い、途中でやめる・新しい会社に入るということが昔より簡単になりました。そのため、同質性の中でチームを運営するということが難しくなり、急に背景の違うメンバーが入ってくる、会社やチームの人数が常に変動するということが増えました。ということは、マネジメント感覚が身についているリーダーが渇望されているのです。

しかし、リーダーとの関係が希薄に育てられてしまった人は、マネジメントというものがよく分からない状態でリーダーになってしまいます。自分がそうだったことから「メンバーたるもの、チームの維持に努めて当然」という考えの方や、自分の上司同様プレーヤーから抜け切れない方、メンバーとの接し方が分からない方、様々なパターンの「マネジメントができない」上司が誕生します。

そのような方は、いざチームが大量離職に見舞われたり、若手がなかなか成長しなかったり、自分のチームが崩壊し始めると原因が自分にあることに気付くことができません。私の周りでも「なぜ自分のチームのメンバーが退職していくのか分からない」と発言しているリーダーを何人も見てきました。

そうなる前に、リーダーに就任する前後からマネジメントを少しずつ練習していくべきだと思います。また、実践と同時に、マネジメントの理論や体系も学んでいきましょう。本を読んでもいいですし、Youtubeで無料で学ぶこともできますし、何でもよいと思います。もし、伴走者や壁打ち相手が欲しいときには、当方が提供している講座を受講して頂ければ状況を伺いながらマネジメントの理論を共有します。理論で学んだことを現場で実践する、そのサイクルを回していくことで身に付けるものだと思います。

 


リーダーに求められる2つの役割

では、リーダーは何をしなくてはいけないのか、理論から見ていくとどうなるでしょうか。

リーダーは「チームの切り盛り」を任されています。メンバーを与えられ、「この労働力を使って成果を出すように」という成果に対する責任も発生します。つまり、メンバーにできる限り効率的に働いてもらわないと、労働力と成果が見合わない状態になるのです。

リーダーの役割について、現在読んでいる書籍にて下記のようにまとめられていましたのでご紹介します。

 

 

リーダーとして部下を持つ、あるいは経営者として社員を持つということは、自分自身に課されているタスクの他に上記の2つの責任が自動的に付け加えられるということです。マネジメントの理論を学ぶと、今まで手探りだった「リーダーの役割」というものが見えてくるので、部下を持たない状態と持つ状態の大きな違いが生じることが実感されるかと思います。そうすると、リーダーは自分の時間の使い方をがらりと変える必要に迫られていると感じ、自分一人で成果を出すところから部下を巻き込んで成果を出す方法へシフトチェンジを模索する必要性が分かるかと思います。

昇格や配転の際に、この部分を説明してくれる経営層や上司はどのくらいいるでしょうか。経営者の方は上司がいないので、自分で気付くまで時間を費やすことになります。大方のリーダーはチームが崩壊し、メンバーが次々と離職していき、業務が回らなくなり、誰も自分についてきていない状態になって初めて今までの自分のマネジメントが0点だったことに気付くのです。しかし、それでは時すでに遅し、そこからチームを立て直すには新しくチームを作るよりも何倍もの工数と労力が掛かります。

 


リーダーに求められる精神的サポート

私が考えるに、上記の役割をもう少し具体的にしてみると、「部下にある程度仕事を任せ、部下が躓いている部分やうまくいっていない部分をフォローする」ところにあるのだと思います。そのため、私は業務の棚卸というものをリーダーの方にやってもらうべきだと考えており、チームビルディング支援をさせて頂いております。

そして、リーダーの役割を全うしていくうえで、目標管理制度は非常に有効だと私は思います。

多くの会社で制度として導入されていることと思いますが、なかなか自発的に実施しているリーダーは少ないのではないでしょうか。月に一回部下と面談して、目標設定して、愚痴を聞いて、フィードバックしてみる・・・このくらいの手順しか会社や上司から概要は伝えられないはずです。リーダーも時間がない中ででも、それでは部下は動きません。会社に言われたから面談しているリーダーに誰がついていきたいと思うでしょうか。

リーダーは+αで部下にサポート姿勢を見せる必要があります。先程の書籍に、リーダーの役割の中で「精神的サポート」についてさらに詳しい解説がありました。

これもよくご相談頂くのが「1on1の時に会話がなくなってしまって何を話したらいいかわからない」というお悩みです。このようなケースでは、支援ポイントが不明確な状態で部下に業務を振っていることが多いように思います。理論を学ぶと、部下たちは上記のような点で支援を求めていると予測できるので、面談の際にずれたことを確認してしまうことはなくなります。また、各人が分担している業務に当てはめることで、そこに対する取り組み方を伝えたり、スケジュールを引きなおしたり、振っている業務の分量を調整したりしていくのです。

このように、マネジメントで悩んでしまっているリーダーの方には、マネジメントに関する知識や理論が圧倒的に不足しているように感じます。まずはリーダーになった時から独学ではなく理論的にマネジメントを学んでいくということ、また会社やチームが回り出してからも自分のチームが沈む前にリーダーとしてどのような支援ができるかということを導き出し続けることがリーダーの役割かなと思います。お悩みの方がいらっしゃいましたら、お問合せフォームからお気軽にご連絡ください。無料相談も実施していますので、何かヒントになるようなことをお伝えできればと思います。